『マビノギオン』

 

『マビノギオン』とは、ウェールズの神話や伝説をまとめた物語集のこと。古代ウェールズの民は文字を持たなかったので、吟唱詩人たちによって口伝えで継承され、中世に成立しました。全11話は、「マビノーギの4つの物語」、「カムリに伝わる4つの物語」、そしてアーサー王伝説の原型といわれる「アルスルの宮廷の3つのロマンス」という3つのグループに分けられます。魔法が渦巻き、巨人が闊歩し、死者が甦り、人々は冥界と交流する——。蠱惑的で幻想的な物語の数々は19世紀末に初めて英語に翻訳され、テニスンやウィリアム・モリスに多大な影響を与え、ヴィクトリア朝時代にケルト・ブームを巻き起こしました。物語の内容ばかりでなく、学術的・史料的価値も非常に高い物語集です

 

マビノギオン ~ケルト神話物語~

シャーロット・ゲストによる英訳版が原本。英米のファンタジー小説を多く翻訳し、ご自身も小説家である井辻朱美さんの訳分は流麗で読みやすく、‟初めて読む『マビノギオン』”としておすすめです。『指輪物語』や『ホビット』の挿絵で知られるアラン・リーの美しいイラストも魅力。

 

 

 

 

 

 

 

マビノギオン  ~中世ウェールズ幻想物語集~

英国文学研究者の中野節子さんが、『ヘルゲストの赤本』と『ルゼルフの白本』といわれる中世ウェールズ語写本の復刻版原典をもとに、25年の月日をかけて翻訳。地図、人名・地名一覧、詳しい訳注がついていて、理解を深めながら読み進むことができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ウェールズ語原典訳 マビノギオン

ウェールズ大学アバリストウィス校でウェールズ語を学ばれ、日本人として初めてケルト研究で博士号を取得された森野聡子さんが、ウェールズ語原典から翻訳されたもの。『マビノギオン』に加えて、伝説的な吟唱詩人タリエシンの転生譚『タリエシン物語』も訳され、解説されています。挿絵は、「ウェールズで『マビノギオン』と言えばこの人!」の、マーガレット・ジョーンズ。めくるめくケルトの世界がビジュアルでも楽しめます

 

 

 

 

 

 

マビノギオンの世界 ~ウェールズに物語の背景を訪ねて~

『マビノギオン』に魅せられた日本人写真家がウェールズに渡り、物語の背景をカメラに収めました。物語の簡単なあらすじと解説、撮影ポイント、紀行文もついていて、見て、読んで楽しい写真集です。

 

 

 

 

魅惑の国ウェールズの華 『マビノギオン」を読む

『マビノギオン ~中世ェールズ幻想物語集~』を完成された中野節子さんが、翻訳のかたわらで深められた物語誕生の地や登場人物&神などの研究成果をまとめた一冊。前半は『マビノギオン』の成立と背景について、後半は『マビノギオン』の世界観や女性像、登場する動物たちのイメージ、アーサー王など、『マビノギオン』を深く読むための解説書になっています。